景観重要建築物
2012年1月26日
鎌倉には「景観重要建築物」というものがあるのをご存知ですか。
以下がその制度の説明です。
鎌倉市には、明治から昭和の初め頃に建てられた
洋風建築物が多く残されています。
しかし近年、次第にその姿が消えていくという状況のなかで、
平成2年に「鎌倉市洋風建築物の保存の為の要綱」を定め、
それらの保存と活用に努めてきました。
平成8年7月1日には、「鎌倉市都市景観条例」 が施行され、
これらの洋風建築物に加え、和風建築物や門、塀などの工作物を
「景観重要建築物等」として指定し、保存と活用を図る制度が設けられました。
近年都市の開発が進み、まちの景観が著しく変容していく中で、
このような制度があることは景観を保護する上でも、
まちの人々の景観に対する意識を高めていく上でもいいことだと思います。
ちなみに現在、鎌倉市の景観重要建築物は32所あります。
鎌倉市のサイトで確認することが出来ます。
(http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/keikan/kezyuyou.html)
その指定第1号が長谷にある鎌倉文学館ですが、その他にも長谷・由比ガ浜
界隈には、この指定を受けている建築物が数多く見られます。
鎌倉彫の寸松堂と白日堂、旅館の対僊閣とかいひん荘鎌倉、
長谷子ども会館(旧諸戸邸)、のり真安齊商店、加賀屋邸など全部で8箇所。
景観重要建築物の1/4が、この界隈に集まっていることになります。
指定を受けている建築物は、一般公開がされていない、居住中の住宅である、
地図の掲載がされていないなど、なかなか見たくても見られない、
もしくは外から眺めるだけといったものが多いのが現状です。
その点、先に挙げた長谷の建築物は、文学館や長谷子ども会館など
直接中に入れるものや、商家や宿泊施設として現在も活躍しているものもあり、
訪れてみる楽しみがあります。
なんとなく長谷って、昔の鎌倉の風情を色濃く残すところだなと感じるのは、
歴史を刻んだ建物の雰囲気が、寺社や山並み、海といった、
昔からの景観と調和して存在しているからなんだと思います。
そんな視点でまちを歩いてみるのも普段とは違った面白みがあり、
楽しいものです。
ほかにも素敵な建物や景観が数多くある長谷・由比ヶ浜界隈。
建物やその風景に刻まれたまちの記憶を感じることが出来るかもしれません。
長谷の風と薫りともに・・・。
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